農業生産の分野において2つの大きな問題は害虫と病気。これを防止するためには農薬の散布が欠かせないのですが、世の中の常識として農薬散布=安全性に問題ありということになって、多くの方が無農薬で栽培できないかを苦心していらっしゃいます。
ただ現実的には、無農薬で商品価値の高い農産物を作るというのは難しく、減農薬というのが今の現状だそうです。これは生鮮食品にしても花卉製品についても同様の悩みが多いようです。
今回、地元で花卉生産をしている農家さんからの提案をいただいてテストを実施することになりました。先程書いた害虫と病気ですが、病気の殆どはカビによるものです。
今回実施するのは、ハウス栽培が主になっている花卉植物についてプラズマ発生機を常設することでカビの増殖を抑制出来ないかというチャレンジです。
ハウス栽培で言えば、閉じた空間ですから工夫次第では害虫はかなりの確率で防ぐ方法があるようですが、人間が出入りし、空気が流通するかぎりカビの菌だけは防ぐのが難しいようです。
今回テスト用の小さなスペースで、第1段階としては発芽から苗が出来るまでを観察してみることにしました。農家さんがおっしゃるには苗の段階まで病気が発生しないとその後は意外と発生が少ないということのようです。
当然第二段階としては商品としての出荷直前までも実験は続ける予定です。
プラズマの効果で無農薬栽培が可能になるかどうか、大変興味深い実験がスタートしたと考えています。閉じた実験室内で行うよりも本来の農場のスペースを用いて実験を行うのも結果に信頼性が増すものと考えています。
さらに、じつは植物にとってもっと大きな病気が隠れているのですが、それはウイルスによるものです。ガーデニングや家庭農園をされている方の中にはウイルス予防をされている苗を購入されている方も多いのではないかと思います。
ウイルスに関しては伝播方法がよくわかっていないのですが、とりあえずウイルス感染した株と健全な株を閉じた空間に入れてプラズマ照射を続けることでどのような影響があるかも観察してみることにしています。
写真はきゅうりのうどんこ病です。