プラズマの金属表面処理や樹脂表面処理について何度か紹介して来ましたが、今回径が10ナノ程度のフュームドシリカの表面処理を行ってみました。上の写真のように水の表面にフュームドシリカを分散させて撹拌を行うとフュームドシリカは水に入り込むことなく表面に薄い膜を作ります。これを拡大して見ると下の写真のように膜を作っているのがわかります。また、今回の実験では写真で撮りやすいように水にはメチレンブルーを0.1%添加して色をつけてあります。
この状態のシリカにプラズマを照射してみます。照射後に撹拌してみると下の写真のようになりました。
きれいに広がっていた膜の存在は見られず、中央部分に結晶状態のようなシリカの塊が現れました。また、水の色の変化からもわかるように表面にあった膜は見られなくなっていました。これを拡大してみると
写真では分かりづらいと思いますが、小さな塊になったシリカが水中に溶け込んでいるのがわかります。
プラズマ照射前はどんなに撹拌をしても水に溶け込むことななかったフュームドシリカですが、プラズマ照射によって水に溶け込むようになりました。おそらくフュームドシリカの表面に何らかの変化が起きてフュームドシリカが親水化しているものと思われます。