今までプラズマの様々な効果を紹介してきましたが、もう一歩踏み込んでそれぞれの効果はどのような理論により発生していると考えられているのかを書いていきたいと思います。
はじめは、新型コロナウイルスが緊急性を要する話題になっていることもありますから、プラズマの殺菌作用はどのようにして行われていると考えられているのかを紹介します。
以前からプラズマ放電が起きると周囲にある酸素や窒素などを分解してラジカルになると書いてきました。ラジカルとは、原子の状態のひとつで、通常は 2個1組で軌道上を回転しているはずの電子が何らかの条件によって 1つしかなくなっている状態のことを指します。プラズマの場合は放電という現象によって発生します。
このような状態ですから、ラジカルな原子は、電気的に非常に不安的であり、周りの原子や分子から欠けた電子を奪おうとするため、きわめて反応性が強いという性質を持っています。不安定で反応性に富む短寿命の中間体なので、かなりの速さで他の非ラジカル種と結合をして元の化合物を分解し、別の化合物を生成します。
そのような状況で発生するラジカルの一つにヒドロキシラジカルと呼ばれるものがあり、水酸基に対応するもので、プラズマ放電で空気中の酸素分子と水分子を電離させて生じる陽イオン(H+)と陰イオン(O2-)のそれぞれの周囲に水分子が付着したものです。これがウイルスや細菌の表面に付くと、化学反応により酸化力の強い、活性酸素の一種であるヒドロキシル・ラジカル(OHラジカル)に変化します。ヒドロキシラジカルはウイルスや細菌の表面のタンパク質から水素を抜き取って分解(酸化分解)することでウイルスや細菌を死滅させると考えられています。
これが、プラズマの殺菌効果の仕組みになりますが、新型コロナウイルスに関しても、大気圧バリア放電を用いての実験が始まっているようです。しかし、新型コロナウイルスに関して言えば、短い時間で相当な台数が必要になるのは明らかで、低コストで短時間でシステムを構築可能な弊社のシステムが最適なシステムであると考えています。