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変わった開発者のブログ

安価なプラズマは世の中を変えると信じて苦しみながら夢を追い続ける開発者のブログ。

酸化というメカニズム

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赤ワインの香りはエステルの酸化のおかげ

 

 昨日の記事でオゾンやフリーラジカルはウイルスを酸化すると書きましたが、酸化という現象で生物に何が起きるのかを簡単に説明しておきたいと思います。

 

 まず、酸化という現象ですが、これはある物質に酸素(O)がくっつくことによって他の物質に変化させることを言います。簡単に言えば、空気に触れることです。身近なところでは、10円玉が緑色に錆びることや赤ワインが空気に触れることで香りが変化することがあげられます。その他にも人間の生活の多くの場面で酸化という現象が起きています。お漬物を作るときやお酒を作るときに用いられる発酵という現象も酸化を利用したものだし、赤いマグロの切り身を長時間空気に触れさせておくと色が変化したりするのも酸化しているからなのです。

 

 では、なぜウイルスが酸化するとウイルスが活性を失ってしまうのでしょうか。ウイルスは細胞にも満たない小さな生物だと書いたことがありますが、それでも主たる物質はタンパク質で出来ています。タンパク質の原料は各種のアミノ酸と呼ばれるものですが、アミノ酸も酸化するとアミノ酸本来の働きが阻害されたり、活動が弱くなったりします。

 

 塩素系漂白剤がウイルスに効果があると言われていますが、これも塩素系漂白剤の主成分である次亜塩素酸ナトリウムの持っている強い酸化力がウイルスを破壊するという作用を持っているからなのです。

 

 さらに、放電という現象によって飛び出したオゾンや各種のフリーラジカルは酸化の効果として他の消毒材料に比べて1000倍~10000倍の効果を発揮すると言われています。生活空間をまるごと消毒出来る方法としては最大の効果を持っていると言うことが出来るものと考えています。