大気圧下でも放電が起こせるように進化して来たことは前回の文章で紹介させてもらいましたが、弊社の方式の誘電体バリア放電について紹介します。
誘電体バリア放電(Dielectric Barrier Discharge)とは2枚の金属板で作られた電極の片方、または両方の電極を絶縁体で覆い、交流電圧をかけた場合におこる放電です。 この絶縁体はコンデンサと同じようなはたらきをします。
上記の写真でもわかるように弊社の方式は中心電極に誘電体を焼結します。更に対抗する電極として存在する巻線にも誘電体を焼結します。このようにして対抗する金属の間に誘電体が存在するように構成します。
ここで、少々弊社の方式が優れている点についてご説明したいと思います。
ここで誘電体に求めれれる基本的な点をあげたいと思います。
1,高電圧で絶縁破壊が起きないこと
2,バリア放電は低温放電と言われますが、対抗した電極の間では300℃程度までは
温度が上昇するために誘電体にはそれ以上の耐熱性が必要になります。
3,誘電体はコンデンサのような働きをすると書きましたが、コンデンサの静電容量
を増やすためには誘電体の厚みを少なくしたほうが有利であると言えます。
4,プラズマの発生する活性なラジカルによって誘電体が破壊されないこと。アーク
放電等ではプラズマの活性力によって電極自体がスパッタリングされてしまいす
り減ってしまうほどの力をプラズマは持っています。
これをまとめれば、可能な限り薄い誘電体で、10Kv程度の電圧では絶縁破壊が起き
ず、300℃程度の温度では破壊されないこと。さらにはプラズマの活性なラジカルに
も問題なく耐えることが必要となります。
ここで一番の課題になるのが可能な限り薄い誘電体を形成すると言うことのなります。誘電体を薄くする事によって対抗した電極の距離が接近し、それだけ放電がしやすくなりますし、低い電圧で放電が可能なことになります。
弊社の誘電体は電極に密着した状態(上記写真参考)で、100ミクロンの誘電体で安定した放電を発生することを可能にしています。
大気圧放電が様々に開発されていますが、第2ステージとしてさらなる効率的で省エネルギータイプへの開発に進むことが必要になってきているのが現状です。弊社システムは時代の要求を見据えて開発が続いています。