現在の水道水の殺菌には塩素が使われています。そこで塩素による殺菌のメリット・デメリットを見ておきたいと思います。
塩素の場合は、生きている細胞を酸化させるのではなく、水溶液にしたときの塩素化合物が、細菌や微生物の呼吸系酵素を阻害し、細胞の同化作用を停止させて殺菌するといわれています。
つまり、塩素の場合、殺菌の効果を及ぼすものは発生期の酸素(O)ではなく、塩素化合物(HClO、ClO-、NH2Cl、NHCl2、NCl3)であると言われています。
現在では、水道水の殺菌にはなくてはならない塩素ですが、使用する場合のメリットとデメリットを見ておきます。
メリット
1, 残留性がある。(効果が長続きする)
2, 水道法に規定されている。
3, 比較的安価である。
4, 次亜塩素酸ナトリウムの場合は液体なので取扱いが容易で、制御もしやすい。
デメリット
1, 残留有機物と反応してトリハロメタン、MXなどの発ガン性や変異原性をもつとされる有機塩素化合物を生成する。
2, 貯蔵中に分解しやすい。
3, 腐食性が強く、ステンレスであっても耐えない。
4, ガス化しやすく空気中へ拡散しやすい。
このようなメリット・デメリットを知っておくことも重要です。