大気圧バリア放電、プラズマ、殺菌、脱臭、表面処理、有害ガス分解、環境対策、カビ、ウイルス、耐熱性薄膜、オゾン、OHラジカル、新型コロナウイルス

変わった開発者のブログ

安価なプラズマは世の中を変えると信じて苦しみながら夢を追い続ける開発者のブログ。

シックカー症候群という言葉知っていますか?

 車は家と同じく閉鎖空間です。車には様々な線維、金属、化学製品が使用されています。車体や車内製材や防腐剤から発生する揮発性化学物質などが原因となり、アレルギーの症状が起きることがあります。車の中で動いていなくてもアレルギーによって体調不良や健康被害が起きてしまうことをシックカー症候群と呼ばれているようです。

 化学物質だけでなく、エアコンなどのカビもシックカー症候群の原因とされています。特にエアコンをつけてカビ臭いニオイがする場合は、エアコンや空気の流れ道にカビが繁殖している可能性が高いと考えられます。

 長い時間を過ごす家と違い、乗車時間が長くないため、車と症状の関連に気付かないことが多いようですが、車の中で以下の症状が頻繁に出る場合は疑ってみる必要があるようです。

  • 頭痛
  • のどの痛み
  • 目の痛み・かゆみ
  • くしゃみ・鼻水・鼻づまり
  • 嘔吐
  • 咳・痰
  • めまい皮膚炎・湿疹・じんましん

 

 言われてみると思いつく方も多いのではないでしょうか。

 これらの対策にもプラズマの有機物分解性能、殺菌性能が抜群の効果を発揮します。

 次回からそれぞれの項目について書いてみたいと思います。

 

 

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車内のニオイが気になる季節です

 自動車内のニオイが気になる季節になってきました。

 エアコンを使う季節になって余計に気にしている方も多いのではないでしょうか。

 

 自動車内のニオイの原因は多岐にわたりますが、車内に落ちた有機物に雑菌が繁殖したり、エアコンの空気の流れ道についたホコリに雑菌が繁殖したりしているのが主な原因です。

 

 特にエアコン内部は湿り気を取ることで、内部はどうしても湿度がたくなってしまいます。

 

 このように考えるとニオイだけでなく、雑菌が室内にばらまかれているということを認識することが大切です。

 

 普段は何も起こさないような細菌やウイルスでも抵抗力が弱いお年寄りや乳幼児には病気の原因になってしまったりする可能性もありますし、アレルギーの原因になったりします。

 

 このような状況においてもプラズマの殺菌力を使えば本当に細かな部分の奥の方まで殺菌効果が行き渡り、ニオイも消すことが出来ます。夏に向かって、車内の環境管理に役立ててほしいアイテムです。

 

 

 

 

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鶏卵産業の現状

 先日鶏卵場にうかがってきました。

 流石に口に入る食品ですから、卵の衛生管理には相当に神経を使っていらっしゃいました。施設の出入りなども徹底した衛生管理体制を取られているようです。

 

 卵に関してはパック詰めされる前に温水洗浄による殺菌が行われているようです。

 その洗浄なのですが、多くは次亜塩素酸ナトリウムによる洗浄が多いようです。

 おうかがいした鶏卵場では、プラズマによる殺菌が行われていましたが、どちらかといえば、稀有な例なんだと思います。

 数年前にプラズマ水による洗浄システムを導入されたようですが、コストはそれなりにかかっているようです。ただ、次亜塩素酸ナトリウムは避けたいというお考えに基づいて設備投資をされたようです。

 

 次亜塩素酸ナトリウムでの洗浄は薬品が残留する可能性もありますし、次亜塩素酸が空中に揮散することは環境負荷になるという懸念があります。

 

 少しでも低コストでプラズマによる殺菌を広めるためにも、鶏卵洗浄に適したプラズマ洗浄システムの開発を急ぎたいと思いました。

 

 

 

 

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トリハロメタンとは何?

 昨日塩素消毒でトリハロメタンに触れましたがもう少し詳しく書いておきます。

 トリハロメタンは、 水道水中に存在する有機物と塩素が反応してできる物質で、 発がん性が疑われている物質です。

 水質基準は、 生涯にわたって連続的に摂取しても人の健康に影響が生じないレベル を基に安全性を考慮して決められています。 浄水場では、水質基準を超えないように対策がとられているため、 水道水中に含まれるトリハロメタンを摂取したとしても健康上問題はないとされていますが注意をしておいたほうが良いと考えられます。

 

 トリハロメタンの除去方法にもちょっとした注意が必要なのでご紹介します。

 

水を沸騰させる

 沸とうさせると、トリハロメタンは気化して水中から除去することができますが10分以上沸とうが必要だと言われています。トリハロメタンは、沸とうして5分程すると一時的に水中濃度が上昇しますが、さらに沸とうを続けると蒸発するため、除去することが可能です。5分程度で沸とうを止めてしまうと、逆にトリハロメタンが増加してしまうので注意が必要です。電気ポットでは、沸とう操作を数回繰り返すことが有効だと考えられます。

活性炭を通す

 活性炭の表面には目では見えない小さいすき間が空いていて、そのすき間に色々なものを取り込む性質があります。残留塩素と同様にトリハロメタンも活性炭に吸着されるため、除去することができます。ただし、活性炭の吸着量は限界がありますから、早め早めに交換することをお勧めします。

 

 

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水の塩素殺菌について

 現在の水道水の殺菌には塩素が使われています。そこで塩素による殺菌のメリット・デメリットを見ておきたいと思います。

 塩素の場合は、生きている細胞を酸化させるのではなく、水溶液にしたときの塩素化合物が、細菌や微生物の呼吸系酵素を阻害し、細胞の同化作用を停止させて殺菌するといわれています。
 つまり、塩素の場合、殺菌の効果を及ぼすものは発生期の酸素(O)ではなく、塩素化合物(HClO、ClO-、NH2Cl、NHCl2、NCl3)であると言われています。

 現在では、水道水の殺菌にはなくてはならない塩素ですが、使用する場合のメリットとデメリットを見ておきます。

 メリット
1, 残留性がある。(効果が長続きする)
2, 水道法に規定されている。
3, 比較的安価である。
4, 次亜塩素酸ナトリウムの場合は液体なので取扱いが容易で、制御もしやすい。


 デメリット
1, 残留有機物と反応してトリハロメタン、MXなどの発ガン性や変異原性をもつとされる有機塩素化合物を生成する。
2, 貯蔵中に分解しやすい。
3, 腐食性が強く、ステンレスであっても耐えない。
4, ガス化しやすく空気中へ拡散しやすい。

 このようなメリット・デメリットを知っておくことも重要です。

 

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これからの水処理の可能性について

 都市化の進行に伴う水資源の枯渇、河川の水質汚染など、水資源に関わるさまざまな課題を解決する技術として「水処理」が重要な問題になってきています。

 家庭や工場、農業等社会のあらゆる場所で水処理はもっとも基本的な物質に係る課題になっています。

 その中でも工業廃水には除去が難しい難分解性物質が多く含まれており、より高度な技術が要求されています。 

 そのような中で、プラズマによる放電は難分解性物質を処理するOHラジカルを高効率に生成し、シンプルな構造で水処理を行うことが出来ることがわかってきました。

 OHラジカルを水中にどのように浸透させるかは様々な方法が考えられていますが、水を浄化するという効果は共通した効果となっています。


 産業廃棄物のリサイクルは大きな話題になっていますが、これからは水も高度な水処理によってリサイクルすることが重要なポイントです。

 

 弊社では、効率的な効果を発生させることが出来、コストパフォーマンスに優れたプラズマ発生ユニットを提供することを考えております。

 

 

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プラズマによる殺菌技術の開発

 プラズマによる殺菌技術は様々な研究機関や企業によって開発が進められています。

 弊社では、もっと多くの機能開発が進められる低コストで使いやすいプラズマ発生ユニットを提供します。

 そこで、プラズマの殺菌技術開発の現状についてご紹介しておきます。

 

 

1,開発の目的

 豊かで安心できる食生活を送る上で殺菌は必要不可欠なものであり、人体及び環境に対して安心安全な殺菌技術が求められています。弊社では熱や薬剤を使用することなくプラズマによる低温、ドライ、ウエット殺菌技術の開発を目的に製品開発をおこなっています。

 

2,開発のきっかけ

 弊社では耐熱性・耐薬品性に優れた誘電体薄膜の開発に成功しており、これを用いることによって低コストのプラズマ発生ユニットが開発できることを見出しました。

 従来のプラズマ発生装置ではプラス・マイナスの電極同士を絶縁するために高価なセラミックやガラスを用いていたので、形状の自由度に乏しく、小型化も限りがありました。

 弊社の誘電体薄膜は金属に塗ることでセラミックやガラスと同じ性能を発揮できるために低コストで小型化が可能になりました。

 

3、ドライプロセスによるプラズマ殺菌の概要と利点

 まず、ドライプロセスについて紹介します。プラズマ発生ユニットで生成したプラズマガスを対象物の表面に接触させることで殺菌効果を発生します。ドライプロセスを用いるので、水洗浄が困難な殺菌対象に対する処理が可能になります。また、熱を発生させずに殺菌効果を得ることが出来るために、今まで不可能とされてきた対象物に対しても殺菌が可能になりました。一例として、産学連携の研究開発によって温州みかんを腐敗させる緑カビにプラズマを照射したところ果実を損傷することなく緑カビの病原菌胞子を1秒間の照射で約90%、3秒間の照射で99%殺菌することに成功しているという実例があります。

 ドライプロセスにおいてはプラズマ中に生成した活性酸素種などが菌体に直接作用し物理的に細胞膜を破損し、死滅させますから耐性菌が発生しないことも大きなアドバンテージとなっています。

 更に空中に放出した各種活性種は最終的に酸素等のもとの元素に戻るので環境負荷は0ということになります。

 

4,ウエットプロセスによるプラズマ殺菌の概要と利点

 殺菌効果の必要な対象物の中には水洗浄を主たる洗浄方式として用いているものも数多く存在します。そのような対象物に対しては洗浄水中にプラズマガスをバブリングさせることで水を殺菌水にすることが可能になり、現状の装置を利用して殺菌することが可能になります。この場合には水中で酸素活性種等を生成させて対象物の菌体に直接アタックすることで、殺菌効果を高めることが出来ます。現状の洗浄装置に大きな改造も必要ない上に低コストで殺菌という付加価値をもたらすことが可能になります。また、水中に溶出した活性種は最終的に酸素等の元素に戻るので使用後の水はまったく無害な浄水に戻ります。

 

 

5,今後の展開

 プラズマ殺菌は薬剤や熱のように効果が浸透したり、残存したりすることがないため、食品全般の殺菌消毒への利用が可能になります。また、病原体に対して高い不活性化を有することから医療現場や食品工場などに導入することで空気の清浄化、水の清浄化、微生物の制御効果も可能になります。

 今後ますます食の安心安全が声高に叫ばれる世界がやって来ることを見据えて、有効なプラズマ殺菌の手法が広がることを後押しできるプラズマ発生ユニットの提供を進めていきます。ユニットの提供で様々な分野の方とコラボレーション出来る可能性を広げたいと考えております。

 広い分野でのコラボレーションによって、安価で効果の高いプラズマ殺菌が食の安心安全をもっと推し進めてくれると信じております。

 

 自然の中では雷もプラズマ放電の一例です。

 

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