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変わった開発者のブログ

安価なプラズマは世の中を変えると信じて苦しみながら夢を追い続ける開発者のブログ。

誘電体バリア放電プラズマの進化

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放電発光

 誘電体バリア放電は2つの導電体とその間に挟まれた誘電体(絶縁体)という2つのシンプルな物質構造から成り立っています。

 そして、その性能を決めるのは1にも2にも電極の間に存在する誘電体なのです。

 電極の間に誘電体が存在するといえばコンデンサを思い浮かべる人も少なくないでしょう。ここにおいて誘電体は電気をたくわえるという働きをしています。誘電体というのは絶縁体ですから、直流電流は流れませんが、交流電流の場合には極性が変わりますからあたかも電流が流れるような状態になります。

 

 じつはバリア放電においても同じような現象が発生します。交流で極性が変わることで誘電体に溜まった電荷がスムーズに動くのです。しかも、電気をスムーズに流すためには電極の距離が近いほど有利だし、省エネに繋がります。

 

 ただ、プラズマが発生するフリーラジカルのパワーが強いために中途半端な誘電体では誘電体だけでなく電極までも破壊する力を持っています。そのために、多くのバリア放電プラズマの誘電体はパイレックスガラスや焼結されたセラミックが用いられています。

 これではどこまでいっても厚さを薄くすることは出来ません。最近では誘電体を薄くして電極の距離を近づけた放電方式を誘電体バリア放電ナローギャッププラズマ」と呼ぶこともあるようですが、まだまだナローギャップと言えるところまでは来ていないと思います。

 そこで、弊社の技術を駆使し、極力薄い高性能な誘電体を作ることに成功しました。しかも誘電率も高く、一層の省エネになっています。弊社での社内測定データによれば新誘電体は同一の電力量で2倍の放電が可能になりました。

 まさに、少ないエネルギーで高い効率を実現したいという弊社の理想に一歩近づけたようです。

 現在お使い頂いている皆様にも順次新しいプラズマ発生素子をお試しいただいてその性能の高さを実感していただいております。