前回に続いて少し水について書いてみます。
水といえばH2Oという化学式で表されますが、細かく見てみるとすべての化学物質の中で水だけが特殊な構造になっているのが分かります。
普通の物質であれば元素同士を結ぶ手は水平になっているのですが、水の場合は図のように水素が下に垂れ下がっているような構造をしています。
これが、構造としてはプラスとマイナスの数が合っていますから、性質としては中性になっているのですが、プラスとマイナスが偏った構造になるためにあたかも極性を持っているような性質がうかがえます。
前回説明した磁気に対して反応するなどというのもこの性質が影響しているような気がします。さらにもう少し後で説明しようと思いますが、水は水素結合という特殊な結合をするので余計複雑になっています。
さらに、水素や酸素は質量が違うのに同じ性質を持った同位体が存在するためにさらに複雑になっています。水素構造だけ見ても3種類の同位体が存在します。
軽水素のように陽子1個に電子1個というのが分かりやすいのですが、実際には中性子の数が異なるものが存在します。
さらに酸素になるともっと複雑になってきます。
酸素同位体
酸素の種類 中性子の数
14 O 6
15 O 7
16 O 8
17 O 9
18 O 10
19 O 11
20 O 12
このように酸素は7種類の同位体が存在します。
つまり3種類の水素と7種類の酸素の組み合わせによる複数の水が存在することになります。しかし、化学式で書けばどれもH2Oです。
H2Oの中身はかなり複雑なことであることだけはご理解いただけたでしょうか。