大気圧バリア放電、プラズマ、殺菌、脱臭、表面処理、有害ガス分解、環境対策、カビ、ウイルス、耐熱性薄膜、オゾン、OHラジカル、新型コロナウイルス

変わった開発者のブログ

安価なプラズマは世の中を変えると信じて苦しみながら夢を追い続ける開発者のブログ。

マイカのプラズマ処理完了

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プラズマ処理後のマイカ粒子

 前回マイカのプラズマ処理にチャレンジするとお伝えしましたが、マイカ処理用のプラズマヘッドが完成したので実験をしてみました。

 細かいデータはお伝えすることが出来ないのですが、まずは外観の変化をお伝えしておきます。これは実験をやった方も驚いていますが、今までやってきたシリカやカーボンと違ってプラズマ処理によって外観が大きく変化しました。

 その変化の状況については下の写真を御覧ください。

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プラズマ処理の前後での変化

 プラズマ処理の前の水分を含んだような状態から表面がサラサラの粒子に変化したのがおわかりいただけると思います。

 さらに、専用のプラズマヘッドについては秘密ですが、今回プラズマの作用を集中させるために磁界を利用しました。プラズマは電子やイオンなので磁界を利用することで集中させたり、拡散させたりできるのです。その理論的な裏付けは下の図を参考にしてください。

 

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磁界とプラズマの関係

 

わかりやすいのはニオイの問題

 プラズマの効果をお勧めしていますが、だれでも直感的に感じ取れるのはニオイの問題だと思います。

 

 細菌や水の浄化は専門的な検査装置が必要になるので、すぐに効果を感じていただくのは難しいと思いますが、ニオイであれば直感的に感じていただけると思います。

 

 まずは、靴の匂い洗濯機のニオイ下駄箱のニオイペットのニオイ浴室のニオイ等であれば、誰でもすぐに効果を感じていただけると思います。

 

 世の中に出回っている消臭剤は数多くありますが、どれも化学物質の集合体で出来ています。素材の原材料は表示されていますが、一般の方が見ても中身はよくわからないものが多く、中には環境に影響を及ぼしてしまうようなものも含まれていることもあります。あるいは本当に身体に悪い影響はないのかと疑いたくなるような成分が含まれているものもあります。

 

 プラズマであれば、原材料は空気中の酸素窒素です。酸素や窒素を電離することで効果を発揮し、効果を発揮したあとは元の気体に戻るということが基本的な性質ですから、環境に負荷を与えることもありません。

 

 夏を迎えニオイでお悩みの方、ぜひこのチャンスに効果をお試しいただきたいと思っています。

 

 

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プラズマによる水の電気抵抗値変化

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プラズマバブリングによる水の電気伝導度比較

 プラズマが水に対してどのような変化を与えるかの実験の一環として水の電気抵抗値変化を測定しました。

 

 実験は、庭のメダカがいる池の水を採取し、これにプラズマエアーをバブリングして測定してみました。

 結果は上記写真でご覧いただけるようにプラズマエアーをバブリングして行くと、時間とともに水の電気抵抗値が上がっていきます。

 

 これを簡単に考えてみるならば、池の水の中に存在していた導電性の物質がプラズマエアーをバブリングをすることによって減少したということになると思います。自然界で生物が繁殖していた水ですから多くの有機物が混在する条件においてどのような変化が起きているかは今後の分析になりますが、目で見える範囲においては緑色に濁っていた水の透明度が上がっていることだけは肉眼でも確認できました。

 

 それから一昨日お伝えしましたが、水の中には多くのイオンが存在していて原子として不安定な状態になっていたのが、プラズマエアーによって電子の配列が正常な値に戻って、電気を運ぶイオンの数が減少したということも考えられます。

 

 水は奥が深い物質ですから、プラズマとの関わりで予想がつかないような変化が起きているかもしれません。そのへんを当たるのがこれからの楽しみにもなってきています。

 

 

 

 

 

今度はマイカの微粒子に挑戦

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イカ微粒子

 最近検討依頼が増えてきた金属酸化物微粒子に対するプラズマによる表面処理。今回はイカに関してご依頼をいただきました。

 

 マイカは電気的にも熱的にも性能が高くコストも安く生産できる物質ですから、もう少し使いやすくなるといろいろな用途が見えてくると思います。

 

 現状では物性は良いけど、混合がしにくい微粒子の一つですからなんとかプラズマでの改良を試みてみたいと考えてます。混合するときに混合比率をあげられれば優れた製品になると思います。

 

 さて、どのようなプラズマシステムが合っているか少し考えることにしましょう。

 

イオンとかプラズマはどんな状態をいうのか

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プラスイオン

 今までプラズマを物質の第4の状態などと説明をして来ましたがどうもイメージがつかみにくいようようなので、もう少し細かく説明をしてみたいと思います。

 物質を構成する原子は中央に原子核を持っていて原子核の中には陽子中性子を持っています。そしてその周りを電子が回っています。そのような状態の図を理科の授業で

見たことがあると思います。通常は中の陽子の数と周囲を回る電子の数が釣り合っていて電子はプラスにもマイナスにもならない中性の状態を保っています。

 しかし、この原子に高熱高電圧の電気衝撃を与えると周囲を回っている電子が外部に飛び出したり、あるいは外部から電子を取り込んだりすることがあります。電子が外部に飛び出してしまうと陽子の数と電子の数が合わなくなって陽子の数が多くなってしまいます。このような状態をプラスのイオンと呼んでいます。また逆に電子を取り込んだ場合には電子の数のほうが大きくなってしまうので、マイナスのイオンと呼んでいます。このイオン化した物質の状態は非常に不安定になり、それは逆に言えばとても活性化していると言うことが言えるのです。物質のイオン状態は日常生活の中で言えば、洗剤などの性能を左右する要素でもあったりするし、リチウムイオン電池の性能を左右する重要な要素で合ったりもしています。

 さらに、このような不安定な状態はイオンだけでなく、外部に飛び出した電子も同じような状態になっています。

 

 そのような状態をまとめてプラズマ状態と呼んでいます。

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プラズマ状態

 上の図がその状況を表したものですが、イオン化した原子核や電子が再び安定した物質に戻ろうとして他の物質にくっついたり、他の物質から電子を奪い取るような動きを続けます。この活発なイオンや電子の働きによって、外部にある有害ガスが他の物質に変化したり、ニオイの元になっている物質を変化させてしまうことが消臭や脱臭にという効果になって現れてきます。

 また、活発になったイオンや電子は気体液体だけでなく、微生物に対しても同様に働きかけることが知られています。これが殺菌という効果になって現れてきます。さらには新型コロナウイルスで話題になった脂質二重層膜で出来たウイルスのエンベローブにもくっついてエンベローブを破壊してウイルスを退治するという現象になって現れてきます。

 自由になった原子核や電子が、活発に動くという理由が少しはおわかりいただけたでしょうか。このような状態を作り出して、イオンや電子の力で脱臭や殺菌あるいは水の清浄化、物質の表面処理などに役立てるのがプラズマを開発していく技術なのです。

 

 

 

 

 

 

プラズマによる殺菌技術の開発

 プラズマによる殺菌技術は様々な研究機関や企業によって開発が進められています。

 弊社では、もっと多くの機能開発が進められるように低コストで使いやすいプラズマ発生ユニットを提供しています。最近ではユーザーさんによる検証も行っていただき、効果のほどを実感していただいています。

 それでは、今回は特に食の安心安全に関するプラズマの殺菌技術開発の現状をご紹介し、プラズマの優れた点についても書かせていただきたいと思います。

 

 

1,開発の目的

 豊かで安心できる食生活を送る上で殺菌は必要不可欠なものであり、人体及び環境に対して安心安全な殺菌技術が求められています。弊社では熱や薬剤を使用することなくプラズマによる低温、ドライ、ウエット殺菌技術の開発を目的に製品開発をおこなっています。

 

2,開発のきっかけ

 弊社では耐熱性・耐薬品性に優れた誘電体薄膜の開発に成功しており、これを用いることによって低コストのプラズマ発生ユニットが開発できることを見出しました。

 従来のプラズマ発生装置ではプラス・マイナスの電極同士を絶縁するために高価なセラミックやガラスを用いていたので、形状の自由度に乏しく、小型化も限りがありました。

 弊社の誘電体薄膜は金属に塗ることでセラミックやガラスと同じ性能を発揮できるために低コストで小型化が可能になりました。

 

3、ドライプロセスによるプラズマ殺菌の概要と利点

 まず、ドライプロセスについて紹介します。プラズマ発生ユニットで生成したプラズマガスを対象物の表面に接触させることで殺菌効果を発生します。ドライプロセスを用いるので、水洗浄が困難な殺菌対象に対する処理が可能になります。また、熱を発生させずに殺菌効果を得ることが出来るために、今まで不可能とされてきた対象物に対しても殺菌が可能になりました。一例として、産学連携の研究開発によって温州みかんを腐敗させる緑カビにプラズマを照射したところ果実を損傷することなく緑カビの病原菌胞子を1秒間の照射で約90%、3秒間の照射で99%殺菌することに成功しているという実例があります。

 ドライプロセスにおいてはプラズマ中に生成した各種のフリーラジカルなどが菌体に直接作用し物理的に細胞膜を破損し、死滅させますから耐性菌が発生しないことも大きなアドバンテージとなっています。

 更に空中に放出した各種フリーラジカルは最終的に酸素等のもとの元素に戻るので環境負荷は0ということになります。

 

4,ウエットプロセスによるプラズマ殺菌の概要と利点

 殺菌効果の必要な対象物の中には水洗浄を主たる洗浄方式として用いているものも数多く存在します。そのような対象物に対しては洗浄水中にプラズマガスをバブリングさせることで水を殺菌水にすることが可能になり、現状の装置を利用して殺菌することが可能になります。この場合には水中で酸素活性種等を生成させて対象物の菌体に直接アタックすることで、殺菌効果を高めることが出来ます。現状の洗浄装置に大きな改造も必要ない上に低コストで殺菌という付加価値をもたらすことが可能になります。また、水中に溶出した活性種は最終的に酸素等の元素に戻るので使用後の水はまったく無害な浄水に戻ります。

 

 

5,今後の展開

 プラズマ殺菌は薬剤や熱のように効果が浸透したり、残存したりすることがないため、食品全般の殺菌消毒への利用が可能になります。また、病原体に対して高い不活性化を有することから医療現場や食品工場などに導入することで空気の清浄化、水の清浄化、微生物の制御効果も可能になります。

 今後ますます食の安心安全が声高に叫ばれる世界がやって来ることを見据えて、有効なプラズマ殺菌の手法が広がることを後押しできるプラズマ発生ユニットの提供を進めていきます。ユニットの提供で様々な分野の方とコラボレーション出来る可能性を広げたいと考えております。

 広い分野でのコラボレーションによって、安価で効果の高いプラズマ殺菌が食の安心安全をもっと推し進めてくれると信じております。

 

 自然の中では雷もプラズマ放電の一例です。

 

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洗濯機のニオイの原因は?

 洗濯機の蓋をあけるとなんだか変なニオイがするというのは誰でも経験があることではないでしょうか。しかし、これも現在では科学の目によって原因が突き止められています。 

 まず、洗濯機から発生する雑巾のような生臭いにおいは、洗濯槽で繁殖している雑菌が原因です。 臭いの正体は、マイコバクテリウムという細菌が作り出す硫黄化合物が原因になっています。
 マイコバクテリウム湿気・温度・栄養の3つの要素が揃うとすごいスピードで繁殖していきます。
 洗う前の洗濯物に含まれる水分や汗、皮脂などの汚れが栄養分となり、風通しの悪い密閉空間が湿度を上げることで、菌が繁殖する環境が揃ってしまうことになります。

 また、洗濯物の臭いは、人の汗や皮脂に含まれる水分とタンパク質を栄養分にして増殖するモラクセラ菌という細菌が発生するニオイです。モラクセラ菌一度発生すると洗濯物を外干ししても除去することはできません。 ですから、乾いた洗濯槽が臭うときは、洗濯物に発生している細菌を除去することも必要になってきます。

 現状でよく用いられている対策は塩素系漂白剤を使った除菌がメインになっていると思いますが、効果は限定的で洗濯槽の裏側に発生した雑菌などには効果が弱くなってしまいます。また、塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を中心とした科学物質を用いることは、次亜塩素酸ナトリウムが入った水を下水道に流すという結果になり決して環境に優しい方法とは言えません。

 このような場合にも環境負荷0で抜群の効果を発揮するプラズマ放射による除菌脱臭がお薦めです。

洗濯槽専用洗浄剤数回分のコストで最高の効果を発揮するプラズマシステムをぜひお試しになって下さい。

 お問い合わせお待ちしています。

 

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