昨日水回りのピンク汚れの正体はメチロバクテリウムという細菌であることをご紹介しましたが、本日はもう少し詳細をお伝えすると同時にプラズマはなぜ効果を発揮するのかについてもご紹介したいと思います。
最初にメチロバクテリウムについてですが、空気中や水中にも生存し、水道の塩素殺菌では死滅しないということは昨日お伝えしましたが、もう少し詳しくご紹介したいと思います。
まず、メチロバクテリウムは乾燥に強いというのが大きな特徴になります。これは、みなさんが触ってわかるようにピンク汚れは「ヌメリ」を伴っています。このヌメリはバイオフィルムと呼ばれるもので、これが菌の周囲を覆うために乾燥に強くなっているのです。
このバイオフィルムはメチロバクテリウムだけが作るものではなく「院内感染」で話題になる多くの細菌がバイオフィルムを形成します。このバイオフィルムが薬剤からの攻撃にも耐えられるために薬剤耐性を持つことになるのです。
さらに、「ピンク色」に見せる細胞内の色素「カロテノイド」が細胞自体を強化、防御していると言われていますが、それだけではなく一般的な洗剤を始め、カビすら殺す塩素系薬剤や、塩化ベンザルコニウム、紫外線や過酸化水素などのいわゆる殺菌効果をもつと言われているものにも殺菌抵抗性をもっているのです。
これらの能力を考えると、非常に手強い細菌だということが出来ると思います。
それでは一般的に有効と言われている物理的化学的殺菌法ではどうかを検討したいと思います。
最も一般的に行われている物理的殺菌法として熱湯や高圧蒸気による殺菌はどうでしょうか。これは効果は確認できますが、お風呂場や洗面所、洗濯機等という場所を考えればちょっと使えないものであることは明白です。
次に化学的殺菌法である薬剤を用いた殺菌法はではどうかを検討したいと思
います。
代表的なものはアルコールやエタノールで低温で殺菌できますが、人体への影響を考えればおすすめ出来るものではありません。
次にプラズマによる殺菌について検討してみたいと思います。
プラズマは電子や原子が高いエネルギーを得て飛び出した状態だと説明して来ましたが、飛び出したときの高いエネルギーを持っています。プラズマ中に存在する高いエネルギーを持った電子が原子や分子に衝突することによって、反応性の高いラジカルを作り出します。ラジカルは細菌と化学反応することによって菌を死滅させる効果を持っています。
また、高いエネルギーを持った電子により励起された原子から放出される紫外線が細菌のDNAに直接的なダメージを与えると考えられています。
さらに、電子やイオン等の荷電粒子が細菌へ直接衝突し菌を死滅させる効果も持っていると考えられています。
プラズマの特徴をまとめれば次のようになると思います。
1・大気中に存在する酸素ラジカルは残留性がなく最後は酸素に淀るので安全性が
高いだけでなく環境に優しい素材です。
2・作用温度が低く低温で作業できるから、お風呂場、洗面所、洗濯機等の耐熱性
等の問題は発生しません。
3・ドライプロセスで作業出来るので使用する場所を選びません。
4・短時間での殺菌が可能であり、省エネだと考えられます。
いかがでしたでしょうか。みなさんも検討してみて下さい。