前回は自然の中のプラズマ現象として雷を紹介しましたが、今回はオーロラ現象について紹介してみたいと思います。
空高くにゆらめく赤や緑色の光のカーテンのようなオーロラですが、この光の原因となっているのは、太陽からくる風で、太陽風と呼ばれています。
太陽風は太陽のエネルギーによって分解された物質の原子(プラスの電荷)とその周りを回っていた電子(マイナスの電荷)がバラバラになったままの状態の集まりです(まさにこのバラバラの状態がプラズマなのです)。
太陽風は、地球には直接ぶつかるわけではありません。ちょっとわかりにくかもしれませんが、プラズマである太陽風は、地球の磁場の影響を受けて、地球の裏側(夜側)に回りこみます。地球の裏側には、この回りこんだプラズマがたまっている場所がありプラズマシートと呼ばれています。このプラズマシート(プラズマだまり)で磁場が急激に変化する現象が起きると、爆発的にエネルギーを得たプラズマが地球に流れ込んできます
プラズマは電荷を持っていますから、磁場の方向にそって移動し地球の磁極(N極とS極)の周辺に流れ込みます。このプラズマが地球の大気にぶつかると、大気中の窒素分子や酸素が刺激されてプラズマ状態だった物質が元に戻るためにプラズマとして持っていたエネルギーを光という形のエネルギーにして放出します。この光の放出によって起きる現象がオーロラなのです。
また、オーロラの色が変化して見えるのはプラズマが衝突する大気中の物質の種類によって発光する色が変わって来るからなのです。
このようにオーロラは、太陽活動と地球大気が密接にからみあって起きる現象であり、プラズマを身近に感じ取れる現象の一つなのです。