このブログではプラズマについて多くの記事を書いていますが、 プラズマという言葉がどうも遠くてわかりにくいという概念を持つ方が多いのではないでしょうか。そこで自然界に溢れているプラズマ現象について触れてみたいと思います。
地球上で簡単に観測できるプラズマ現象と言えば雷が代表的な存在ですが、雷はどうやって出来ていくのでしょうか?
簡単に言ってしまえば雷はプラズマを利用して徐々にルートを開拓していくのです。
まず、雲の中の電子が、空気の中で特に通りやすそうなところを選んでちょこっと進みます。通りやすそうなところというのは、例えば宇宙線の影響で空気がほんのわずか電離した部分などです。この時に電子は途中の空気をさらに電離させますから、一度通過した通り道はプラズマ化して、ますます電気を通しやすい状態になっています。そのため2回目のトライでは、1回目に通ったルートはそのまま利用し、そこから先に進む段階で、また新しいルートを開拓します。
こうして何回もトライを繰り返し、そのたびに折れ曲がりながら少しずつルートを伸ばして行くのです。一方地上の方でも、プラスの電荷がルートを探して上に向かいます。そして上からのルートと下からのルートがつながった瞬間、完成された導線を通って大電流が流れ、プラスとマイナスが一気に結合します(主雷撃)。稲妻のあの独特の形は、このようにして作られたものなのです。
自然の中のプラズマ現象を少しは理解していただけたでしょうか?