ここのところバイオフィルムについて書いてきたけど、そろそろ本題に入ろうかと思います。
ここ数年よく耳にするのが「薬剤耐性細菌」という言葉です。
多くは院内感染による事故の報道なのですが、じつはこれがバイオフィルムと大きな関係があるのです。昨日の書いたけど、バイオフィルムは細菌にとって増殖しやすいホテルのような働きをしているだけでなく、外部からの攻撃から守ってくれる働きもしているのです。
つまり、細菌に対する薬剤による攻撃をしても、バイオフィルムがこれを阻止する働きをしているのです。しかも、最近では、攻撃から守ってくれるだけではなく、攻撃した薬剤を分解するような機能も持っているということが分かってきました。
薬剤耐性菌で最も怖いのは院内感染という問題です。ただ、人間に関するバイオフィルムはカテーテル等の人工物に繁殖するという特徴を持っているために、なかなか病院内で0にするというのはハードルが高いというのが現状です。
やっとバイオフィルムを攻撃すると言われている薬剤も登場してきているようですが、効果のほどはこれからです。
紫外線の殺菌力さえ効果がないと言われているバイオフィルム、唯一効果を持つと言われているプラズマが活躍する場所は医療現場においてもどんどん増えていくと思います。