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変わった開発者のブログ

安価なプラズマは世の中を変えると信じて苦しみながら夢を追い続ける開発者のブログ。

熱電変換素子と熱放射

熱電変換素子は対向した2種類の金属の温度差によって、電気を発生させることが出来るというゼーベック効果を利用したものです。ここにおいて重要なのは2種の金属にいかに温度差を付けるかということと、いかに金属間の熱伝導を抑えるかということに集約されます。金属の温度差は金属が持つ特性そのものの問題になり、現在様々な合金の開発が進められています。しかし、弊社の温度差についての考え方は、積極的に熱放射を用いて片側の金属が持っている熱エネルギーを外部に放散させて温度差を作り出すことが出来るということが特徴だと考えます。

各種金属酸化物は熱エネルギーによって格子振動が発生します。格子振動は通常は熱伝導を活発にさせる原因になりますが、金属酸化物を薄膜の中に閉じ込めると大気中への熱放射という効果を発生させます。本来熱伝導の悪い大気に向かってエネルギーの放散が発生するというのは需要なポイントだと考えます。熱放射は結果として放射している側の金属の温度を低下させるという効果を発生させます。

金属素材そのものの検討だけではなく、熱放射という性能を加えることでエネルギー変換効率の高い熱電変換素子の開発が可能となりました。

次回は、熱電変換素子のもう一つのポイント、熱伝導についても薄膜の効果を書いてみたいと考えています。