大気圧バリア放電、プラズマ、殺菌、脱臭、表面処理、有害ガス分解、環境対策、カビ、ウイルス、耐熱性薄膜、オゾン、OHラジカル、新型コロナウイルス

変わった開発者のブログ

安価なプラズマは世の中を変えると信じて苦しみながら夢を追い続ける開発者のブログ。

リング型プラズマ発生素子

f:id:techfp8329:20190127105739j:plain

 

 プラズマで効果を試したい対象物が円筒形だったり円錐形だったり砲弾型だったりするときにいわゆる平面タイプのプラズマ発生素子を用いてもどこか一方向にしかプラズマ照射の効果が行かず、全面的に均一な効果を発生させるにはプラズマ発生ヘッドの形状を工夫する必要があります。

 弊社のバリア放電タイププラズマヘッドなら導電体と誘電体の組み合わせの自由度が高いので、このようなリング型形状のプラズマ発生ヘッドの作製も可能になります。

 複雑な形状だけどプラズマの効果を試してみたいとお考えの方はぜひ一度ご連絡下さい。知恵を絞りながら最適なプラズマ発生システムをご提案出来ると考えています。

 

 写真はリング型プラズマ発生ヘッドのプラズマ発光の状況を撮ったものです。

 

ペットの臭いに効果あり

f:id:techfp8329:20180910115614j:plain

 

 プラズマ発生機をテストしていただいている方から、ペット用シートのゴミ箱の臭いが完全に取れたとのご連絡をいただきました。

 ペットの排泄物特有のアンモニア臭も取れるということが実証されました。

 現在様々な実証実験が進行していますから今後も良い実証例がご報告出来ると思います。

 

 

 

 

誘電体の作り方

 先日誘電体について触れましたが、今日はどのようにして出来上がって行くかをご紹介します。

 

f:id:techfp8329:20180810154519j:plain

 

 まず、すっかり酸化膜が形成されてしまっている銅板に誘電体膜を形成します。

f:id:techfp8329:20180810154634j:plain

 

 サンドペーパーの#120→#600→#1000と細かくしていって酸化膜を取り除きます。

 

f:id:techfp8329:20180810154802j:plain

 

 きれいになった銅の表面に誘電体の原材料となる液体を垂らします。

 

f:id:techfp8329:20180810154859j:plain

 

 ウエットでの膜圧が20μ程度になるように塗布し、乾燥を行います。

 

f:id:techfp8329:20180810155022j:plain

 

 乾燥後は銅にピッタリと密着し、プラズマの高電圧にも耐える誘電体膜が出来上がります。

 このようにして、液体→塗布→乾燥の工程で誘電体膜を形成出来ますから、電極の形状が複雑な三次元形状のようなものであっても問題なく誘電体を形成したプラズマ発生用電極を作ることが出来ます。

 

 

 

 

 

プラズマはどんな効果をもっているのか?

プラズマは物質の第四の状態と言われています。物質の温度をあげていくと気体になることは知られていますが、気体の状態にさらに温度を加えていくと物質を構成する原子核や電子がバラバラになって行きます。このばらばらになった状態をプラズマ状態と言います。気体よりもエネルギーをもって活発に電子や原子核が飛び交う状態になっています。地球上で見られるオーロラも太陽から飛び出した電子などが地球上の大気に衝突することによって輝いている現象です。

 

そんなプラズマは、様々な機能を持ちますが、代表的な効果をあげると、
1,殺菌・滅菌
2,消臭
3,水質浄化
4,有害ガスの分解
5,静電気防止
6,生体反応の活性化
7,金属の表面処理
8,樹脂の表面処理
9,汚れ分解・漂白

 などの効果を持っています。

 それぞれが飛び出した電子や原子核が周囲にある物質にアタックをすることによって新たな物質をつくりだしたり分解したりして効果を発揮します。プラズマの最大の利点はもともと大気中に存在している窒素や酸素を分解してプラズマ状態を作りますから、仕事が終わったあとも窒素や酸素に戻るだけで、環境負荷になるような物質を残さないことです。

 プラズマによる問題解決は省エネルギーで地球環境に優しい唯一の手段だと考えています。

 

 

 

 

f:id:techfp8329:20180702073831j:plain

 

 

 

 

 

 

プラズマで身近な匂いを分解しましょう。

 プラズマ放電を行うと、原子が電離し、電離したした電子やイオンが自由に飛び回っている状態を作ります。さらに放電によって酸化力の強いオゾンを発生します。

 

 このような状態では、電子やイオンのような帯電粒子と中性のラジカルがにおい分子や有害ガスと接触して自由電子をやりとりしたり、オゾンによって酸素原子が付加することで匂いのもとになっているガスそのものを別の物質に変化させてしまいます。匂いの元になっているガスそのものを別の物質に変化させてしまいますから匂いはもとから消失することになります。それと同時に有害なガスを無害なガスにすることが出来ます。

 

 しかも匂いを作り出すことには細菌が関わっていることが多いのですが、プラズマの自由電子やオゾンは細菌の細胞膜を破壊して細菌そのものを除去してしまいます。

 

 このような二段階の完璧な消臭効果を発揮できるのはプラズマ以外にはありません。

  弊社のプラズマ発生システムを用いることで家庭や職場に隠れている臭いを低コストで分解するだけでなく殺菌効果によってクリーンな環境を作り出すことがことが可能になります。身近な環境だけでなく、地球環境に優しい消臭殺菌効果をぜひ一度お試し下さい。

f:id:techfp8329:20180703072044j:plain

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プラズマの殺菌力について

 前回で院内感染について詳しく説明しましたが、一番大きな問題は細菌が薬剤に対して耐性を持つようになってしまうことです。これは多くの細菌がバイオフィルムという保護膜を持つようになり、薬品を弾くような能力をもってしまうために発生する現象です。

 以前に書いたお風呂のピンクカビや水回りのヌメリも同様の機能を持つために薬品では除去が難しくなってしまいます。

 

 ここで、もう一度プラズマの効果について説明しますが、プラズマを照射することで細菌を消滅させ、なおかつ耐性を持つようなことはありません。なぜかということになりますが、プラズマが発生すると数多くの自由な電子やイオンが飛びかうようになります。その中には、とても酸化力の強いオゾンも発生しています。

 

 酸化力の強いものが飛びかうと、細菌の細胞膜に酸素が付着して細胞膜を破壊してしまいます。従いまして、これに対する耐性をつくることは出来なくなります。

 

 さらに、空中に飛び出したオゾン(O3)は一つの酸素が細胞膜にしがみつき、残りはきれいな酸素に戻ります。ですから、細菌の耐性を作ることを不可能にし、その後は自然の状態の酸素に戻っていきますから、なんら残留物を残すこともありません。まさしく環境に優しいエコな殺菌方法ということが出来ます。

 

 なお、プラズマは空気中だけでなく、水中に溶け込んで殺菌水をつくることも可能です。これは次回にでもご紹介します。

 

 このように素晴らしい効果を持ったプラズマをもっと使いやすくするために最も必要なコストダウンを弊社のプラズマ発生素子は実現しています。

 

f:id:techfp8329:20180807110548j:plain

 

 

 

 

 

院内感染についてもう一度!

昨日から鹿児島での院内感染に関するニュースが流れています。そこで、以前に書きいたことですが、ここでもう一回院内感染についての情報をまとめてみます。

1、そもそも院内感染とは,病院内に感染源が存在し,病院内で患者,患者の家族や面会者,医療従事者などが曝露され,感染したものと定義されています。

 最近では,医療関連感染と言われることも多く,病院内に限られず,施設内での感染も含まれる。潜伏期の短いものは,病院内で発症しますが,潜伏期の長い結核などは,退院後や病院外で発症する場合も含まれます

 感染症伝播は,三大因子である感染源,感染経路,宿主感受性に関連して発生します。それらが院内感染対策上,重要なポイントになります。つまり,感染源の封じ込め,感染経路の遮断,宿主のワクチン接種などの免疫獲得がポイントになります。感染患者を個室等に隔離しても医療従事者が接触することは避けられませんから,感染経路の遮断が重要な課題になっています。感染対策の基本は,標準予防策と感染経路別予防策の二つになります。


2、頻度の高い微生物
あらゆる微生物が,院内感染を引き起こす可能性
があると言われています。しかし,その頻度が高いものは,

①潜伏期にも感染力がある感染症(麻疹,インフルエンザなど)

②保菌者も含め,感染源を封じ込めることが困難な感染症MRSA 保菌者など)

③感染経路を遮断することが困難な感染症(麻疹,水痘の空気感染など)

④少量の微生物でも感染が起こりやすい感染症ノロウイルスなど)

⑤感染伝播力の強い感染症ノロウイルス,インフルエンザなど)など
 が挙げられる。

⑥薬剤耐性菌(MRSAVRE など)


病原体別にみると,下記のような分類がされています。

● 細菌:腸管出血性大腸菌赤痢菌,クロストリジウム・ディフィシル,インフルエンザ菌髄膜炎菌,ジフテリア菌,百日咳菌,化膿性レンサ球菌,結核菌,セラチア,マイコプラズマなど


● 薬剤耐性菌:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌MRSA),メチシリン耐性表皮ブド 

 ウ球菌(MRSE),バンコマイシン耐性腸球菌(VRE),ペニシリン耐性肺炎球菌
(PRSP),多剤耐性緑膿菌(MDRP),多剤耐性アシネトバクター(MDRA),基質拡張型 β ラクタマーゼ産生菌(ESBL),メタロ―β ラクタマーゼ産生菌,β ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)など


● ウイルスノロウイルスロタウイルス,RS ウイルス,ウイルス性出血性結膜炎,アデノウイルス,インフルエンザウイルス,ムンプスウイルス,パルボウイルス,風
疹ウイルス,麻疹ウイルス,水痘・帯状疱疹ウイルス,B 型肝炎ウイルス,C 型肝炎ウイルス,ヒト免疫不全ウイルス


● 真菌カンジダ属,アスペルギルス属


● その他疥癬,しらみ症

 

院内感染に関しても、プラズマによる殺菌が効果を持つと考えられます。とにかくコストさえ工夫ができればもう少し身近なところでプラズマが活躍できる土俵が出来てくると考えられます。ぜひ、コストのかからないプラズマの殺菌システムを考える人がたくさん出てきてくれることを期待しています。

 

f:id:techfp8329:20180408200121j:plain