大気圧バリア放電、プラズマ、殺菌、脱臭、表面処理、有害ガス分解、環境対策、カビ、ウイルス、耐熱性薄膜、オゾン、OHラジカル、新型コロナウイルス

変わった開発者のブログ

安価なプラズマは世の中を変えると信じて苦しみながら夢を追い続ける開発者のブログ。

プラズマ発生素子の誘電体について

 弊社のプラズマ発生素子の秘密は誘電体にあるとだいぶ前に書きましたが、今日はもう少し詳しく説明をしておこうと思います。誘電体とはあまり聞き慣れない方もいると思いますが、簡単に言ってしまえば絶縁体です。すなわち電気を通さない物質になります。

 弊社の誘電体は原材料は液体で出来ていますから様々な形状のものに塗布することが可能です。

 まずはアルミに塗布した状態を御覧ください。

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 よく見ると右側に塗布されていない部分があるのをご覧いただけると思います。

 そして塗布した部分を電気的に調べてみるとしっかり絶縁されているのがわかると思います。

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 更にプラズマ発生素子としての性能を上げるために、原液中に誘電率の高い無機微粉末を含有させて誘電体を作ると

 

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 無機微粉末によって色が出てきました。

 これも電気的にはかってみると完全に絶縁されています。

 

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 こうして液体を塗布し、乾燥させることでプラズマ発生素子としての誘電体が出来上がります。

 この乾燥した誘電体膜の性能は、いくら弊社のプラズマが低電圧で動作するといっても2~4千ボルト程度はかかっていますから、この薄い膜が素晴らしい絶縁性も兼ね備えていることがご理解いただけるのではないでしょうか。

 最後に先日もご紹介しましたが、丸いステンレスパイプへの塗布も御覧ください。

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 液体ですから、平面でも丸でも形状を選ぶことなく誘電体を形成出来ます。これはプラズマ発生素子の形状を自由に設計することが出来、プラズマの効果を100%発揮させる上でとても重要なポイントになります。

 

卵の洗浄実験も開始しました。

 日本人が食材として好んで用いる卵ですが、じつはサルモネラ菌カンピロバクター等の細菌に汚染されている確率が高いのです。

 これを防止するために出荷時に洗浄を行うのですが、多くの場合次亜塩素酸の希釈液で洗浄されています。それだけではなく、卵を運ぶトレー等も次亜塩素酸による殺菌が行われているようです。

 

 中には洗浄に関して次亜塩素酸を使用せずプラズマオゾン水を用いているところもあるようです。現在使用されているところではプラズマオゾン水の殺菌効果の高さを認めていらっしゃいますが、プラズマオゾン水を作る装置が高く、なかなか一般には普及して行かないようです。

 

 そこで、弊社のプラズマバブリング水を用いての洗浄実験を行うことになりました。

これであれば、現状の装置に比べれば相当にコストを抑えることが出来、コストをかけずに有効な洗浄が出来ることになります。

 

 プラズマ洗浄が有効だとわかっていてもコスト負担のために使用をためらっている方にとっては使いやすい装置が提供できることになります。

 

 こちらも、昨日の花生産農家と同じ、実際の養鶏業者さんとのタッグマッチですから、とてもおもしろい結果が出てくるのではないかと期待しています。

 

 そんな計画を進めている中で、先日とある会社の方と話をしていたら、スーパーで買った卵のパックを開けるとときどきかなり塩素臭いものがあるという話が出てきました。これには私もびっくりでしたが、それだけ次亜塩素酸の濃度が上がって来ているということなのでしょうか。

 

 今回の実験で良好な効果がでれば、そんな懸念も解消できるのではと考えています。

 

 

 

 

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農業分野でもテスト開始

 農業生産の分野において2つの大きな問題は害虫と病気。これを防止するためには農薬の散布が欠かせないのですが、世の中の常識として農薬散布=安全性に問題ありということになって、多くの方が無農薬で栽培できないかを苦心していらっしゃいます。

 ただ現実的には、無農薬で商品価値の高い農産物を作るというのは難しく、減農薬というのが今の現状だそうです。これは生鮮食品にしても花卉製品についても同様の悩みが多いようです。

 今回、地元で花卉生産をしている農家さんからの提案をいただいてテストを実施することになりました。先程書いた害虫と病気ですが、病気の殆どはカビによるものです。

 今回実施するのは、ハウス栽培が主になっている花卉植物についてプラズマ発生機を常設することでカビの増殖を抑制出来ないかというチャレンジです。

 ハウス栽培で言えば、閉じた空間ですから工夫次第では害虫はかなりの確率で防ぐ方法があるようですが、人間が出入りし、空気が流通するかぎりカビの菌だけは防ぐのが難しいようです。

 今回テスト用の小さなスペースで、第1段階としては発芽から苗が出来るまでを観察してみることにしました。農家さんがおっしゃるには苗の段階まで病気が発生しないとその後は意外と発生が少ないということのようです。

 当然第二段階としては商品としての出荷直前までも実験は続ける予定です。

 プラズマの効果で無農薬栽培が可能になるかどうか、大変興味深い実験がスタートしたと考えています。閉じた実験室内で行うよりも本来の農場のスペースを用いて実験を行うのも結果に信頼性が増すものと考えています。

 

 さらに、じつは植物にとってもっと大きな病気が隠れているのですが、それはウイルスによるものです。ガーデニングや家庭農園をされている方の中にはウイルス予防をされている苗を購入されている方も多いのではないかと思います。

 ウイルスに関しては伝播方法がよくわかっていないのですが、とりあえずウイルス感染した株と健全な株を閉じた空間に入れてプラズマ照射を続けることでどのような影響があるかも観察してみることにしています。

 

写真はきゅうりのうどんこ病です。

 

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平面状プラズマ発生素子

 プラズマの用途は多く、プラズマ処理をする対象物も様々なものや様々な形状が存在します。今回手がけているのは、平面状に均一にプラズマを発生することが出来る素子になります。

 このような平面状の発生素子が出来る事によって対象物が平面状であるものだけでなく、平面状の素子を丸めることによって円筒状の対象物などにも均一なプラズマ照射が可能になります。

 金属+誘電体+金属の組み合わせで様々な可能性が広がっています。

 誘電体バリア放電というと巻線という概念が強いですが、弊社の誘電体を用いることによって、平面状だけでなく様々な形状でプラズマを発生させることが可能になります。

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プラズマ発生装置

 プラズマ発生素子の形状や大きさに自由度があり、安価に実験装置が提供できると御案内してきましたが、今日はその一例を紹介します。

 

 写真のように、どこにでも売っているポリプロピレンのケースの中にプラズマ発生素子を設置しました。写真をご覧いただければ、どこにも高価な素材が使われていないことがお分かりいただけると思います。

 

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 しかし、このようなシステムでも、金属や樹脂表面の処理やカビに対する効果などははっきりと確認することが出来ます。

 

 何度もご紹介してきていますが、とにかくプラズマの効果を試してみたいという方にとっては実験装置が高価なものであっては意味がありません。弊社のこのようなシステムでしたら数万円程度で供給することが可能です。低コストで効果が確認できればテスト対象物に合わせた専用の発生素子開発をお打ち合わせの上で進めさせていただくことが可能です。

 専用の素子といっても、使う素材は同じですから、せいぜい形状が変化する程度ですから、当然コストアップにつながるようなことはありません。

 

 プラズマの効果は理解しているけど、準備に費用が掛かってしまうとお考えの方はぜひ一度ご相談ください。

 

 参考までにこのシステムを使ったカビの実験はこちらのページに詳細が記載されていますのでぜひご覧になって下さい。

 

techfp8329.hatenablog.com

 

何かのヒントになるかも

 今日も危険な暑さが続いています。

 被災地の復旧のためにも少し暑さが収まってくれるといいのだけど。

 

 ところで、だいぶ時間が経ってきて、災害が状況が様々な画像でみられるようになってきました。

 

 その中でちょっと不思議というか面白いなと思ったのは、あれだけ派手に山肌が削り取られているのにその山に何本もたっている送電線の鉄塔は上空の画像から見る限り、まったく傷ついていないように見えます。

 

 そして、その鉄塔の下に当たる部分の山肌もほとんど無傷のように見えています。

 

 山肌に立つ鉄塔がどのような基礎工事で成り立っているのかは知りませんが、そこには崩れやすそうな山肌を保護するためのヒントが隠されているような気がします。

 

 災害が落ち着いたらぜひ、じっくりと検証を進めると面白い結果が見えてくるとおもうし、多くの方がこの事実に気づいてくれるといいんだけどね。

 

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木陰の素晴らしい効果

 今日も気温がどんどん上がっているし、各地に高温注意報が出まくってます。

 気のせいかもしれないけど、今朝から救急車のサイレンがよく聞こえてくるような気がします。

 最近ちょっとした林の中の古い建物をみつけて研究室を移転しました。ほんとにすごい林の中というよりはまだ住宅地化されずに林が残っているという雰囲気の中なんですが、思ったより暑さをしのぐ効果があるのに驚いています。

 現在地のアメダスを見ると36.4℃となっていますが、温度計をもって外に出てみると林の中では2℃くらい温度が低くなっているようです。また、今日は緩やかな風が吹いているのですが、林の外では熱風という表現がぴったりの風なんですが、一歩林のなかにはいると、涼しい風に変わります。これは最初不思議だなって思っていましたが毎日同じような状況が続いているので間違いがないのだと思います。きっと空気そのものが熱というエネルギーを持っているのではなく、太陽からの熱線によって温められている瞬間だけエネルギーを持ったような状態になっているのでしょうね。だから日陰では熱エネルギーが消滅してしまうということなんでしょう。

 

 こうしてみるとあらためて樹木の持つ能力の高さに感心させられます。自然は時として大きな災害をもたらしますが、人間が変に手を入れたりしなければ人間にやさしい存在ですよ。すくなくても、自然破壊をするメガソーラーよりはよっぽど優しい存在であることは確かです。

 

 写真は、今窓から見える景色です。お隣の建物がすぐ近くに見えるから大きな林ではないことがわかると思います。ついでですが、夕方になるとご近所の小学生がカブトムシやクワガタを探しにきてます。

 

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